実装技術としてのドメインモデル

ドメインモデルの良いところは、実際のビジネス構造と実装のギャップを小さくすることができる点だと考えています。逆に言うと、ドメインモデルを実装するためにはビジネス構造の分析は必須で、ビジネス構造の分析なしに(良質の)ドメインモデルで実装することは難しく、ビジネス構造とのトレーサビリティという大きなメリットも捨てることになります。
よくドメインモデルはユースケースと対応しないといわれますが、これはユースケースはビジネス構造上に対応したものではなくビジネスオペレーション(機能)に対応したものであるためです。ではユースケースの実装についてはドメインモデルが役立たないのかというと、ビジネス構造に近いレベルで抽象化されたドメインモデルを利用することで簡便でギャップが少ないユースケース(機能)の実装が可能になります。ドメインモデルのレイヤをベースにユースケースの機能を実現する機能レイヤがあるイメージです。