概念モデル(クラス図)の作成
概念モデル クラス図
- グローバル識別子を持つトップレベルの概念エンティティを整理したクラス図
グローバル識別子とは
業務で実際に利用されているビジネス資源(もの)や出来事(こと)を識別するコードや番号のことでです。たとえば、社員番号や商品コード、受注NOなどがあります。
概念エンティティとグローバル識別子
ビジネス上管理された資源や出来事に対してグローバル識別子は付与されるため、ビジネス上極めて重要な概念とグローバル識別子は関係つけられています。したがって、業務系アプリの概念エンティティを見つける方法として、グローバル識別子を利用することは合理的と言えます。
具体的には、以下の手順で概念エンティティを識別します。
- ○○番号、○○コード、○○名などの用語を探し出しグローバル識別子とします
- グローバル識別子から番号や情報などの冗長な用語を削除して概念エンティティとします(重複や明らかに不適切なものは除外)
例)
識別したグローバル識別子
- 貸出確認番号
- 会員番号
- アイテム番号
それぞれ対応する概念エンティティ
- 貸出
- 会員
- アイテム
概念エンティティの分析
概念エンティティを分析し概念モデル クラス図に整理します。
概念エンティティの分析手法としては、既存の帳票や画面などからオブジェクト図を作成してクラス図に一般化する方法がよく利用されます。
また、オブジェクト図やクラス図を作成する場合のトップダウン的な縛りとして、もの−ことーもの分析の手法を利用することもよくあります。もの−ことーもの分析の基本的な考え方は、概念エンティティをリソース(もの)とイベント(こと)に分けて整理していく手法です。この手法はDOAでよく利用される方法ですが、OOADでも同じような考え方は紹介されています。ビジネスアプリケーションの分析手法として幅広い手法といえます。
リソースとイベントにわけられた概念エンティティは、それぞれどのような関連する概念エンティティがあるか分析していきます。なお、リソースとイベントの区別を行うもっとも簡単な方法は概念名に「する」がつくがどうかで判断する方法で、イベントは「する」がつき、リソースは「する」がつかないというものです。商品は「商品する」とは言わないので、リソース、受注はh「受注する」というのでイベントのようなやり方です。
リソースは構造的な分析が中心で以下のような関連リソースの存在を識別します。
- 自リソースを説明しているリソースがないか、あれば関連を作成する
- 逆に自リソースが説明しているリソースがないか、あれば関連を作成する
- 親子関係があるリソースがあれば関連を作成する
イベントは利用リソースと依存イベントを中心に関連リソースを識別します。
- 参照しているリソースがあれば関連を作成する
- 参照しているまたはされているイベントがあれば関連を作成する
- 親子関係のイベントがあれば関連を作成する
分析で識別された関連リソースを最終的には概念モデル クラス図として整理します。